何度も聞いてからまねる-短いセンテンス

短いセンテンスはつべこべ言わず、何度も聞いて覚えるのが近道です。文法とか、どうしてこれはこのような並び方なのかとか、そんな理屈を考えるより、もし英会話を上達させたいのであれば、そのままフレーズを覚えたほうが時間の節約になると思います。

 

話すことは即興なので、そうそう時間を使ってゆっくり組み立てている暇はありません。しかも、マンツーマンの英会話学校の先生でもない限り、自分が話すのをゆっくり辛抱強く待ってくれる人はそうそういません。みんなさっさと自分のしたい話しに移っていってしまいます。ですので、短いセンテンスはそのまま覚えて使い、考えて話さなければいけないものは、記憶している短いセンテンスの合間、あいまに脳の別な部分を使い考えればいいのです。

 

頭の回転が超高速回転している人は除いて、初級、中級者の英会話は考えて文章を組み立てている暇がまったくなかったりしますから、便利なフレーズをたくさん覚えていると相手との情報の交換も考えて組み立てる時間がなくても理解して話しができることが大いにあります。

 

オーストラリアで仕事していたころ、ホテルの代表番号にかかってきた電話を泊まっている人の部屋に転送したり、別の部署に転送したりする女性の席の近くにいて仕事をしていたことがあります。彼女が席にいないときは私が彼女のしていることを手伝うはめになり、覚えなくちゃいけない緊張感もあり、何度も繰り返される I put you through now. 「アイプッチュースルー、ナウ」「では、転送します」という言葉はすっかり覚えてしまいました。それと似たような事態になったらまちがいなくそのフレーズは瞬時に言うことができます。

 

家族の口癖とか、とても仲のいい友達の口癖とかがでてくるときがあるかと思いますが、それと同じ原理だと思いますが、何度も聞いていると次にでてくる言葉が口から出てきます。知らないうちに脳の記憶の一部に埋め込まれてしまって、長期記憶になってしまうのだと思います。 

 

 

■会社の同僚や上司のまねがうまい人がいますよネ。これは人を笑わせるためではありませんが、たまたま立場が逆転したときに、いつも言われていることを言ってピーターはそれ以上の言葉が出てこないでいる場面です。

 

-On second thought, Neal, cream, no sugar. 「考え直すと…。ニール、コーヒーをたのむよ、砂糖はなしで、ミルクだけ入れて。」

-We have agents for that!  「それをやってくれる職員がいますけど! 」

-I have something better!  I have you!  「私にはもっといいものがあるんだ。私にはおまえがいるからネ! 」「アイハブ、サムシングベター! アイハブユー! 」

 

ホワイトカラー2-15話より。「アイハブ、サムシングベター! アイハブユー! 」というのは、ニールが雑用をピーターから頼まれたときに不平を言うと、決まってピーターがいうセリフです。このエピソードでは、彼らの立場が入れ替わるので、いつも言われていることを言ってピーターを困らせています。