映像といっしょにドラマで覚えるメリット-そんなつもりじゃないのに~(泣)

映像を見ながらドラマや映画で英語や英会話を覚えることは、どのような場面でその言葉が使われているか詳細にわかることができます。イントネーションもわかります。表情や話す早さもわかります。もし、ジェスチャーがついていたらそれもわかります。また、誰と話しているかによって、それはカジュアルな話し方なのか、仕事でも使えそうなフォーマルなものなのか等、映像にはさまざまな情報が大量につまっています。

 

友達との間では使えるようなことばも、注意して使わなければ意図してないのに失礼な言い方になってしまう英語があります。 

たとえば、疑問文の単語の並び方ではなく、肯定文の単語の並び方で、最後のイントネーションだけ上げて聞き返す表現があります。本当に分らなかった、聞こえなかった時、または、びっくりして、イラついて聞き返す時も使われる表現です。

 

You did what? 「何をした、といいましたか?」

You go where? 「どこへ行くって?」

Am I what?  「私が何だって?」

For you to do what?  「あなたに何をするですって?」

You did this how?  「あなたはこれをどうやってやったの?」

You met him where?  「彼とどこで会ったって?」

 

並び方が覚えやすくて使いやすいためか英会話初心者にもよく使われますが、仕事での会話とか、友達ではないフォーマルな場面の会話には無礼者と誤解されそうなカジュアルな表現になる可能性もあります。 

 

 

■友だち同士の会話

-So are you? 「それで、あなたはそうなの?」

-Am I what? 「私が何だっていうの?」

-Are you one of those people who gets happy looking at a sunset? 「夕日を見て幸せを感じる人と同じくらいの人なの?」

 

よくけんかしている二人ですが、この場面もローリーがパリスが何を聞きたいのか知っているくせに、わざと口数を少なくして、パリスの聞きたいことを聞かれないようにしていることでパリスを怒らせています。ギルモアガールズ2-11話より

 

 

-We have really great tickets to see the Bangles tonight.  And Rory thought you might come along?  「今晩、バングルスのコンサートのすごくいい席のチケットがあるんだけど、ローリーがあなたたちがいっしょに行かないかって。」

-Paris, what about you? 「バリス、あなたはどう?」

-I can't. 「行けない。」

-Yes, you can. 「行けるわよ。」

-No, I can't. 「行けないよ。」

-Because you are doing what? 「いったい、どんな用事があるから行けないっていうの?」  

 

これも同級生同士の会話ですので、この言い方は許されます。そして、この場面では、「あなたに、今夜、行けない用があるわけないじゃない!」的なイラついた言い方になります。

ギルモア・ガールズ 14話より

 

-I don't know but  it all seems kind of nice to me. 「よくわかんないけど、僕には普通にいいことのように思えるけど…。」

-What does?   「どこが!?」 直訳で、「何がそうなのか?」

 

「50年代のステキな主婦に賛成」するディーンとその発言にムキになるローリーの会話。What does?  の what はディーンの言った it は何なのか、 does は seems に対応しています。ローリーは明らかにイラついていることが分ります。ギルモア・ガールズ 14話より。

 

 

-Your hand ended up bruise, how?  「どうして手が青あざになるの?」ニュアンス的には、「手が青あざになるはめに?  なんで?」というような友だち同士のカジュアルな会話です。ベロニカが大学の男子社交クラブの会長に話すセリフより。ベロニカマーズ3-4話より 

 

 

■単純な質問

-I'm sorry.  「ごめんなさい。」 I didn't mean to.  「そんなつもりじゃなかったんだ。」 I was only playing. 「僕はただ遊んでただけだったんだ。」

-You didn't mean to what?  「そんなつもりってどんなつもり?」

 

これはブレンダが少年に、「そんなつもり」はいったい「どんなつもり」なのか具体的な話しがないので聞き返しているセリフです。 この話し方とこの場面でしたら、悪意などは含まれずただの質問になります。クローザー2-9話より 

 

 

-Who's name goes where?   「(直訳で)誰の名前がどこにいきますか? 主犯はどっちで共犯はどっちですか? 」One of you is a murder of first degree.   And one of you is a accessory. 「あなたがたのどちらかが第一級殺人で、他方が従犯者になります。」

 

二人の参考人の事情聴取の後にブレンダが二人に聞く場面。ここの where は主犯か共犯かという意味でのどちらかの場所という意味で使われています。肯定文に直すと、 A goes to a murder of first degree.  And B goes to a accessory.  になります。クローザー4-2話より 

 

 

-Either you can tell him, or I can tell him.  「君が教授に話すか、または、僕が話すかだね。」 

-Tell who what? 「誰に何を話すって?」

突然、部屋に入ってきたランドリー教授は自分のことを言われていることにも、話の内容も全く分っていないし、相手は自分のクラスの学生ですので、このように聞けば一番分りやすいですよネ。  ベロニカマーズ3-6話より 

 

 

■Who are you? 「フーアーユー」「あなたは誰ですか」、または「何様のつもりですか」 

または、普通の質問であっても場面やイントネーションによっては「そんな言い方ないでしょ!?」と反応されかねないものもあります。Who are you?  「フーアーユー」「あなたは誰ですか」という普通の質問ですが、普通の質問といえばそのとおりですが、これはちょっとぶっきらぼうに聞こえ、言い方と状況によっては「自分を何様だとおもってるの?」みたいにけんかを売っているように聞こえなくもないので注意が必要です。

 

私もオーストラリアで外国人だったころにこういう場面に遭遇したことがあり、その言葉が自分に発せられたことに対してびっくりもしますし、外国人としての負い目もあったのかヘコみました。

 

できれば、その言葉を回避して、May I ask who you are?  「メイアイアスク、フーアーユー」の方を使ったほうがまちがいがないと思います。 「ユーガットメール」でも初めてジョーがキャサリンに彼女の店で会ったとき、これを使っています。 

映像とストーリーといっしょに覚えると、これらの場面にふさわしくない言い方を記憶することから遠ざけてくれます。    

 

 

■I just said that.  「いまそう言ったでしょ! 」

I just said that. 「アイジャストセドザット」は直訳すると「私は今そう言った」となるかもしれませんが、このセンテンスは、「今、そう言ったじゃない! 分からないの! 理解してヨ! 」のようなイライラした気持ちを表現する言葉です。

 

-Her bones broke because she was struggling to free herself? 「彼女は自由になるために戦っていたので、彼女の骨が折れてしまったのですね? 」

-Yes. .... I believe I just said that.  「はい。…私はそのように言ったと思いますが…。」

 

BONES-骨は語る-8話より。法廷でレビット検事がテンペランスに質問する場面。テンペランスは超優秀ですが、データをならべるだけで、人の気持ちを引き出すことはうまくありません。検事が分かりやすく説明したにもかかわらず、「それ、ワタシが言ったことよネ! 」のように言っては陪審員の心をつかむことはむずかしくなってきました。